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「ここにも例年なら雪が積もっているのですよ」と、行く先々で耳にしながら、雪はどこだ・・・と、訪ねる旅。
スキー宿さえもしっかり土が見えていて、かまくらも崩れかかっていて。
雪見風呂なんてどこ。
溢れかえっている宿泊客に、どんよりぬくぬく。
ぎゅうぎゅう詰め込まれて眠った部屋は、なんでというくらい暑かった。
とりあえず朝風呂だ。それで納得だ。
しかし次の日。
山を越えると、景色は一変した。
音が消えて、色がくすんで、真っ白な田畑が遠く広がって。
現れた雪国。
おそらくいつもはもっと雪の量が多いのだろう。
ところどころに見えるアスファルトも本来は存在しないものなのだろう。
それでもまったく経験のない別世界。
スキーで訪れたことのあるあの華やかな銀世界とは違う。
なにか秘めた空気。
ただただ圧倒されるしかなく、バスの心地よい揺れに睡魔をふかふかと浮かばせながら、緩んだ頭と心で思う存分味わう。
そのよる訪れた雪に埋もれたロッジは貸しきり状態で、お風呂も一人で、夜のラウンジも自分たちだけ。ライトアップされたゲレンデから時折スキーヤーが、ボーダーが、降りてくるのを眺めていた。
静かにこけていた。
小さい彼ら。
ただ動いていた。
遠くで。
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